季節外れの新芽、アストロフィツム・カプトメデューサ【こう見えて実はサボテン】
突然ですが、サボテンの条件を知っていますか?
サボテン科(Cactaceae)に分類される植物の総称が「サボテン」なわけですが、ではこのサボテン科にはどんな植物が属しているんでしょう?
「サボテン科の植物に共通する特徴はなんでしょう?」と言い換えてもいいですね。
実生7年目のアストロフィツム・カプトメデューサ(Astrophytum caput-medusae) |
サボテンのアイデンティティ
棘でしょうか?
違います。
多くのサボテンにとって棘は大きな見所であり、愛好家を惹きつけるチャームポイントであることは間違いありません。
が、アストロフィツム属(Astrophytum)やロフォフォラ属(Lophophora)には多くの「棘のないサボテン」が属しています。
逆に、バラやミカンの木、パキポディウムなどなど、非サボテン科にも棘を持つ種は多くありますね。
キンシャチ(Kroenleinia grusonii)の棘 |
神仙玉(Ferocactus gracilis)の棘 |
正解は「刺座」。「アレオーレ(areole)」とも言います。
特徴的な棘のその根もと、白い綿毛がモシャモシャと生えているのが分かりますでしょうか?
これのあるなしがサボテンか否かを分けるポイントとなります。
アレオーレは短枝が、棘は葉が進化(退化)したものと言われています。
枝葉を小さくして水分の蒸発を抑える、極端に乾燥した土地に適応した結果です。花も刺座から咲きます。
棘を持たないサボテン「アストロフィツム・カプトメデューサ」
左上方向に伸ばした枝(?)の上に小さな白い刺座がある |
アストロフィツム・カプトメデューサ(Astrophytum caput-medusae)はアメリカ テキサス州とほど近い、メキシコのヌエボ・レオン州が原産のサボテン。
野生では一か所にごくわずかな個体群のみが生息していると言われている。
2003年にDavid Richard Hunt(Hunt, DR)によって新種として記載された、比較的新しい種です。
種小名はcaput-medusaeは「メデューサの頭」の意。その名の通り、蛇のようにグニャグニャした紐状の茎を多数伸ばします。地下にはゴボウか大根のような塊根が隠れています。
日が翳るとこんな感じ 地上部はヒョロヒョロで貧弱だが、地下には意外なほどマッチョな根っこが! |
わが家のカプトメデューサ
上の写真のカプトメデューサがうちに来たのは2018年の夏。まだタネでした。
その年の残暑の間に播種したので、今ちょうど実生から6年が経過し7年目に突入したところです。
10粒蒔いて、現存するのは2株。発芽後に枯らしてしまった株はあったかな?覚えていないです。
最初の頃は順調に育っていて、毒蛇の髪の毛も年に1本か2本ずつ増えていました。
ところがここ1、2年、目に見える変化がなく、ちょっと拗らせてしまった印象だったので、今年の9月初旬に植え替えを敢行。
2.5号のテラコッタから引き抜いたカプトメデューサの牛蒡根はしっかり鉢底に到達して、所々 鉢底石が食い込んでいました。
結構 毛だらけ、猫 灰だらけ。新芽の周りは髭だらけ🥸 |
立派な根に少々驚かされた植え替えでしたが、そんなことも忘れかけた師走も目前というこの時期、なんと新芽が出てきてしまいました!
(根への刺激は効果テキメン!)
ホントは来春 早い時期から動き始めてほしいと思って秋に植え替えたんですけどね。
予想より速い、素直な反応でビックリしました🫢
久々の成長は嬉しい反面、時期外れの新芽で冬越しへの心配も。今年の冬はなるべく暖かく過ごしてもらうことにします。
思い起こせば6年前、このカプトメデューサはわたしが初めて蒔いたサボテンのタネでした。
今 思うと「なんで最初がカプトメデューサ?」という感じですね。「もっと他に王道があるだろ!」と。
きっと当時は珍しいものが欲しかったんでしょうね。
普及種が多いわが家では珍しい貴重品(?)のアストロフィツム・カプトメデューサ。
このまま順調に大きくなって欲しいものです。
ではでは。
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